2011.08.27 Saturday
空海と密教美術展 レポート
展示替えで2度観に行ってきましたので、軽くレポートします。
空海と、という冠はありますが展示品の多くは仏教法具と仏像が中心です。
空海由来品は多いですが、主に唐から持ち帰ったと言われるもので所持、使っていたとされるものは多くありません。
その中でも空海が所持していたと言われる、たった10日間、7月30日で展示が終了している「金念珠」は滅多に見られないまさしく秘宝の秘。
運良く見れました。
信じられないほど精緻な作り。拡大写真を見ても細部がどうなっているのか分からないほど。
小さなかご状に細工された珠をいくつもつなげてネックレス様の法具にしています。
これ以外にも、密教法具や錫杖頭もまずお目にかかることができない大変珍しいもの。
仏像も見所が多く、こちらも見飽きないですが、細工の巧妙さもさることながら、脇役のはずの動物たちがかわいいです。
年代も作った人も違うはずなのですが、例外なくかわいいです。
仏像の顔や姿形はリアルで人間的なのに動物はデフォルメされています。
理由はいくつかあるのですが、現代のマンガ、アニメにそのまま出てきそうなキャラクター性を持っているのは興味深いです。
そして、空海と言えば最澄に宛てた手紙である、風信帖。
以前一度展示を見ましたが、「それがどうしてそのように書かれているか」をある程度知った上で見ると、その書がどれだけすごいかがよくわかって見飽きないです。
漢字とは何なのか、文字とはどういうものかが示されていると言っても大げさではない内容。
現代の整った文字、学校で習う書道がけっして正しいものではないとわかります。
(すべて間違いというわけではないですが)
漢字、ひらがなの国に生まれたのであれば一生に一度は見ておいて損のないものです。
ちなみに、最近数年に一度お披露目されているようで、痛みが目立ちはじめています。
特に墨飛びが自分が見ても分かるほどで、もう少し展示間隔を空けないと十年経たずに一部文字が薄くなってしまいそうです。
まあ、専門家ではない自分が心配することでもないのですが、本物を見られるうちに見ておかないと展示間隔が長期間になったり、デジタル複写したものしか見られなくなる可能性もあります。
仏像曼荼羅が見所の様に紹介されることが多いですが、これはあくまで学者(展覧会)側が用意した見せ方の一つです。
その意味で、見せ物としては面白いですが本来の仏像のありようとは違います。
当時、今に続く新たな仏教観や様々な事物を伝えた空海本人がどのような人であったか、それを知ることの方が重要です。
その空海が渾身をこめて書いた風信帖は必見、これを見るためだけでもおすすめです。
それと、通常展も合わせて観ると面白いです。
通常展にも仏像が多く展示されていたり、最近流行(?)の戦国時代の城や鎧などの関係物が展示されていてこちらも面白いです。
ついで、の感覚で見ようとすると膨大な量に疲れてしまいますが、3時間以上かけて観る覚悟を決めて行ってください。
それと蛇足ですが、このような大きめの展覧会では必ず音声ガイドがあります。
端末貸出しで500円かかりますが、ここでこの500円をけちることには全く意味がありません。
何を目的に美術館に来ているのかを考えれば、この500円で得られるものは小さくないでしょう。
混んでいるときには入場した後もさらに並ばないとならなくなるのが辛いところですが、それは使わない理由にはならないです。
今回の音声は北大路欣也さんです(この人自分はよく知らないのですが…w)
仏像類、法具類の一部は全期間。
風信帖は8月23日から。
一部トラブルで展示期間が変更されていますので調べてからどうぞ。
空いている平日午前からがおすすめ。
とれる人は有給とってでも行くべし。
空海と密教美術展 公式
驚きの空間が広がる! 『空海と密教美術』展の“仏像曼荼羅”
重要文化財:落として損傷−−東京国立博物館
こちらの記事と共通です。
空海と、という冠はありますが展示品の多くは仏教法具と仏像が中心です。
空海由来品は多いですが、主に唐から持ち帰ったと言われるもので所持、使っていたとされるものは多くありません。
その中でも空海が所持していたと言われる、たった10日間、7月30日で展示が終了している「金念珠」は滅多に見られないまさしく秘宝の秘。
運良く見れました。
信じられないほど精緻な作り。拡大写真を見ても細部がどうなっているのか分からないほど。
小さなかご状に細工された珠をいくつもつなげてネックレス様の法具にしています。
これ以外にも、密教法具や錫杖頭もまずお目にかかることができない大変珍しいもの。
仏像も見所が多く、こちらも見飽きないですが、細工の巧妙さもさることながら、脇役のはずの動物たちがかわいいです。
年代も作った人も違うはずなのですが、例外なくかわいいです。
仏像の顔や姿形はリアルで人間的なのに動物はデフォルメされています。
理由はいくつかあるのですが、現代のマンガ、アニメにそのまま出てきそうなキャラクター性を持っているのは興味深いです。
そして、空海と言えば最澄に宛てた手紙である、風信帖。
以前一度展示を見ましたが、「それがどうしてそのように書かれているか」をある程度知った上で見ると、その書がどれだけすごいかがよくわかって見飽きないです。
漢字とは何なのか、文字とはどういうものかが示されていると言っても大げさではない内容。
現代の整った文字、学校で習う書道がけっして正しいものではないとわかります。
(すべて間違いというわけではないですが)
漢字、ひらがなの国に生まれたのであれば一生に一度は見ておいて損のないものです。
ちなみに、最近数年に一度お披露目されているようで、痛みが目立ちはじめています。
特に墨飛びが自分が見ても分かるほどで、もう少し展示間隔を空けないと十年経たずに一部文字が薄くなってしまいそうです。
まあ、専門家ではない自分が心配することでもないのですが、本物を見られるうちに見ておかないと展示間隔が長期間になったり、デジタル複写したものしか見られなくなる可能性もあります。
仏像曼荼羅が見所の様に紹介されることが多いですが、これはあくまで学者(展覧会)側が用意した見せ方の一つです。
その意味で、見せ物としては面白いですが本来の仏像のありようとは違います。
当時、今に続く新たな仏教観や様々な事物を伝えた空海本人がどのような人であったか、それを知ることの方が重要です。
その空海が渾身をこめて書いた風信帖は必見、これを見るためだけでもおすすめです。
それと、通常展も合わせて観ると面白いです。
通常展にも仏像が多く展示されていたり、最近流行(?)の戦国時代の城や鎧などの関係物が展示されていてこちらも面白いです。
ついで、の感覚で見ようとすると膨大な量に疲れてしまいますが、3時間以上かけて観る覚悟を決めて行ってください。
それと蛇足ですが、このような大きめの展覧会では必ず音声ガイドがあります。
端末貸出しで500円かかりますが、ここでこの500円をけちることには全く意味がありません。
何を目的に美術館に来ているのかを考えれば、この500円で得られるものは小さくないでしょう。
混んでいるときには入場した後もさらに並ばないとならなくなるのが辛いところですが、それは使わない理由にはならないです。
今回の音声は北大路欣也さんです(この人自分はよく知らないのですが…w)
仏像類、法具類の一部は全期間。
風信帖は8月23日から。
一部トラブルで展示期間が変更されていますので調べてからどうぞ。
空いている平日午前からがおすすめ。
とれる人は有給とってでも行くべし。
空海と密教美術展 公式
驚きの空間が広がる! 『空海と密教美術』展の“仏像曼荼羅”
重要文化財:落として損傷−−東京国立博物館
こちらの記事と共通です。
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